知る人ぞ知る北海道鹿追町の然別峡野湯群。
2019、2020年の夏には車で行けた。

だが2021年にはチェーンが設置され、おどろおどろしい警告が出て、車の乗り入れは不可となった。


そして、最近の情報は少ない。
然別峡野湯群は、いまどうなっているのだろう。
全国的にクマの被害が増加しているなか徒歩は気が引けるが、野湯ファンとしての好奇心が黙っていない。
それに「復旧の目処は立っておりません」は本当なのか、この目で確かめたい(もちろんヒグマスプレー携行です)。
2025年8月 徒歩で然別峡野湯群へ
2025年8月14日時点で警告はトーンダウンしていたが、チェーンは南京錠でロックされ車の乗り入れは不可。

ただし小振りのバイクなら左側のスキマから出入り可能。
そして最初の橋。名前は消えて確認できないが、もみじ橋らしい。

かつての休憩所のような廃屋を過ぎると、二つ目の橋。

橋を渡るとユルトクシュナイ林道。名前がカッコ良すぎる。
ゲートは閉ざされ草ぼうぼう。

4年ぶりで砂防ダムへの分岐点を忘れた。水の音で砂防ダムに気付く。

そこから歩いて降りることもできる。

おお、ダム下の湯は健在だ。

ただし湯温が恐らく50℃を超えて、手湯もやっと。
藻が繁茂して、全く誰も入っていない様子。
かつて置かれていた風呂道具の類は撤去されていた。
ダム下の湯から少し戻り、写真中央のかすかな踏み分けを川に向かって行く。

しっかりした踏み分けが見えて川に下る。

ああ、これがメノコの湯のいま。

湯抜き穴が開放され湯は溜まっていないが、湯は湧出していた。
湯は熱く、溜まって適温になるかは不明だが、ゴム状の析出物を見る限り、素晴らしい硫黄泉に変わりないようだ。
そして本命の崖下の湯は数年前より小さくなった気がする。

湯温も体感48℃くらいで、全身浴には熱すぎる。
藻がワカメのように繁茂しているので、足湯に留めた。

とにかく奇跡の源泉穴から今でも硫黄泉が湧いているのに感動した。

川と同じ高さにあるペニチカの湯は一番キレイ。

触れないほど高温なのでホースで水を引き入れる必要あり。
ただし土砂が堆積して浅いので工事が必要。
たまたまなのか敢えてなのか、かつて車が乗り入れできたところに放置された倒木。

来る時にスルーしたここを右に下ると、砂防ダム周辺の野湯群に行ける。

125ccと思しき狭い轍や足跡。人間とシカは確実。

問題はこの丸いのをヒグマと見るかどうか。

【まとめ】徒歩で見てきた2025年の然別峡野湯群
然別峡野営場の駐車場から砂防ダムまで徒歩20分。
4つの野湯を見たが、総じて人間の手が入らなくなり快適な湯を手軽に楽しめる状況ではなくなったことが確認できた。
かつて先客がいたこともあるなんて想像もできない。
それでも素晴らしい湯自体は今も湧いていることが分かった。
その気になれば工事して快適に入ることは可能だろう。
一方、「復旧の目処は立っておりません」は確認できなかった。
快適な舗装ダートで、砂防ダムまでバイクなら3分だろう。
なお、万一ヒグマが出たらバイクでも走って逃げるのは難しい。
ヒグマはMax50km/h。バイクはカーブのある砂利道で50km/h出せるだろうか。
肉球のグリップが異次元のスペックであることは、走るヒグマを見れば理解できる。
(何を隠そう、この日の夕方には走るヒグマを目撃したのだ)
それに、火を恐れないヒグマがエンジン音やクラクションで怯むとは思えない。
だから、行くならクマスプレーは必須。
かんの温泉に泊まって、クマスプレーを借りる手もある。
無事にウォーキングを終え、かんの温泉で日帰り入浴650円。https://www.tokachino.site/feature

かんの温泉の貴重なページ。
禁断の野湯群 然別峡かんの温泉 奥の院
https://www.tokachino.site/access
バイクで行く機会があればクマスプレーとシャベル持参で再訪したい。